自作ケーブル「Explore Hybrid」シリーズの頒布や価格の詳細をまとめておりますので、本ページをご参照ください。

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以前にもAcoustuneのイヤホンをレビューいたしましたが、改めてメーカー様のご好意で新しいイヤホンをレビューさせていただく事となりました。
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今回Acoustune様からのご好意でHS1501とHS1551の試聴機をお借りすることができましたので、それぞれをレビューします。

型番が近しい事もあり、両機とも見た目には色以外に違いを見つけることができないのですが、音響チャンバー部分の素材がアルミ(HS1501)と真鍮(HS1551)を使っており、これにより音の違いを発生させています。

素材の違いで音が変わるという点では、少し前にSATOLEXがリリースしていたTubomiシリーズを彷彿とさせますが、概ね音の傾向という点では似通ったように感じます。

早速ですが、まずはHS1501から見ていきます。

<HS1501>
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メタリックの筐体に青が映える美しいデザインです。
シルバーのつまみのようになっている所がチャンバー部の部品ですが、これにより音質が変わります。

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ステム部分も同じ金属となっており、造りもしっかりしている事がよくわかります。
製品としての完成度についてはメーカー側が非常に拘っているところは直接お話しを伺っていても感じている部分ですが、実際の製品を見ると納得できてしまう所が流石としか言えません。

<HS1501の音質>
HS1501の特徴を端的に挙げると、ボーカルと高域重視の音です。
ボーカルの帯域がグッと前に出てきて、鋭い高域が主張してきますが、刺さるような事はなく爽快感にも似た様なクリアの高域で鳴ります。
低域も十分な量感で鳴っているため不足しているということはありません。

フラットであったりバランスの取れた音ではありませんが、聴きにくいような音作りでもなく、聴いていて本当に楽しく聴けるイヤホンであると感じます。

HS1501に関しては、ボーカル物に強く、男性・女性どちらでも声を中心に聴けます。様々な音楽を聴いてみましたが、最近の曲でも十分に楽しめますが、少し古い70~80年代の音楽ととても相性が良かったです。録音状態との組み合わせにもよりますが、声が際立っていてジャンル問わずクリアに懐かしい曲を楽しむことができ、とても良かったです。

また、声を聴くという点では、アニソンやアイドル系の音楽とも相性は良い傾向です。


続いてHS1551をチェックしていきます。
<HS1551>
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チャンバー部分が真鍮の色に変わり、素材が異なる事がわかります。

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ステム部分も同じく色が変わっており、HS1501とは違う事がよくわかります。

HS1501比較すると、重心が中・低音に置かれ、どっしりと安定した低音を聴かせてくれます。また真鍮が使われている事で、音に響きが増しボーカルに艶を感じられるような音へと変化しています。HS1551はゆっくりと聴かせる音楽、R&B、クラシック、女性ボーカル物と特に相性が良いように感じました。
しかしながら、音のレスポンスが速いので、ロックやテンポの速い曲でも十分に通用するイヤホンです。


<音場について>
HS1501/1551共に非常に広い音場です。特に左右への広さはすぐに感じることができます。またボーカルが手前に聴こえるイヤホンであるため、前後の奥行き感も深く聴こえます。
そのため、オーケストラやJAZZなど、空間の広さを必要とする音源では特に強い印象です。試聴の際『Cantate Domino』を聴いていましたが、反響音から音場の広さやステージの深さを感じる事が不可欠の曲ではあるのですが、HS1501/1551では十分に再現できており、聴いていて驚くほどです。

<定位感>
自然とそこにあるような定位感を感じられます。最近のBA機にあるようなカリカリな定位感ではありませんが、十分過ぎるほど定位した音です。 音場の広さとも相まってどこで何が鳴っているのかを聞き分けられ、気持ちの良い定位感だと感じられます。

<解像感>
基本的に両機の解像感は同じですが、非常に高い解像感で、小さい音までもよく鳴らせています。Acoustuneのイヤホンは高域を得意としているイヤホンではありますが、HS1501/1551は以前のモデルと比べても進化しており、より精細かつ聴きやすい方向へシフトしています。
逆に言うと刺さり気味でもあった高域が落ち着いてしまったわけですが、個人的には今回のチューニングの方が好みです。

<イヤーピース>
Acoutuneといえば、イヤーピースも注目されていますが、HS1501/1551には標準でATE07とATE08が付属しています。
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ATE07と08はそれぞれS/M/Lの三種類。
その他にダブルフランジとフォームタイプです。
すべて試してみましたが、HS1501/1551を楽しむのであれば、ATE07か08が良いでしょう。
ATE08の方は、07と比べて低域よりにシフトするので、どちらを使うかは聴き手側の好みとなりますが、OPUS#1をDAPとして使っていた際には、ATE07を使用している方が好みでした。

<気になる点>
使ってみて気になるところがありましたので、こちらについても少し挙げておきます。

ケーブルの取り回し
非常に太いケーブルが採用されているため、曲がりや耐久性が非常に強いケーブルですが、それゆえに取り回しは少々難儀します。一般的な細いイヤホンケーブルとは違い、あれこれ曲げて使う事が難しく、電車内等で座ろうとするとケーブルが邪魔になる事が度々ありました。この辺りは使いながら工夫が必要かもしれません。

筐体が耳介の一部に当たってしまう
筐体の形がカスタムIEM等の形状とは異なりますし、市販されている一般的なイヤホンとも少々形状が変わっています。個人差が大きく影響する問題ですが、装着時に耳介の「耳珠」に当たってしまい、長く使っていると少し痛い感じが出てきました。耳の形状次第で他の場所が接触したり、まったく影響が無いという人もいらっしゃると思いますが、こういった事例もあると言う事で挙げておきます。

冬場は筐体が冷たい
金属筐体ならではの問題ですね。特に冬場は金属が非常に冷たくなるので、装着時に耳が冷えます。

風切り音が少し大きい
チャンバー部の突起が影響していると思われますが、風が強い時に少々目立つ事がありました。


<総評>
HS1501/1551の両機とも非常にポテンシャルの高いイヤホンです。価格はどちらも4万円を超える高い部類に入っていきますが、価格以上の音で聴き手を楽しませてくれます。
特に音場とダイナミックレンジの広さは他のイヤホンには無い個性です。お借りして聴き込んでいくうちにその表現力に魅了されていくのがわかった時、これは欲しいな!と思わせてくれました。
ダイナミックドライバーの音が好きな方にはぜひ聴いていただきたいイヤホンです。


今回はここまで。
それでは。


<関連リンク>
Acoustune
Acoustune@開発 [Twitter]
HS1501 AL グランブルー×シルバー [e☆イヤホン]
HS1551 CU バーガンディ×ゴールド [e☆イヤホン]

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